1200mを2F毎に見る
前半後半の3F毎ではなく2Fで分けることで、そのレースの本質をより理解できる。特に1200mはこの理論が応用しやすい。これは競馬予想TVにも出演されている夏目氏も仰っていたり、海外のレースでは香港など公式に2F毎発表のところもある。
ここでは1200mを前提にする。スプリント戦における3F目というのは前半というよりも中盤に位置し、2F目が1番速くなる都合上3~4F目は自然と緩みやすい区間である。そんな緩みやすい3F目を雑に半分に分けた前半部分に区分することは危険。先行争いは大体2F目で決しており3F目からはもう緩みが始まることが多い、そのレースの本質を見誤る可能性が高くなる。
路盤改修後のスプリンターズSを例に見ると、
18年 33.0-35.3 22.0-22.3-24.0
17年 33.9-33.7 22.7-22.1-22.8
16年 33.4-34.2 22.3-22.3-23.0
15年 34.1-34.0 22.4-22.9-22.8
14年 33.7-35.1 22.4-23.2-23.2
13年 32.9-34.3 22.4-21.5-23.3
15年は特徴的で、3Fで見るとスローラップで一見前が有利に見えるが、前2F自体は例年に比べても普通に速い。中盤を緩めてしまったことで前2Fで作ったせっかくのリードを食い潰してしまっている。前半無理をせず緩みに乗じて押し寄せた後続が後2Fでの加速性能の勝負になっているためスローペースなのに差し決着になっている。スローなのに差したから強い、ではなく2F毎で見れば差しの有利な展開になっていることが分かる。
過去6年で中盤をしっかり締めた13,16,17,18年はハイペースなのにハクサンムーン,ミッキーアイル,ワンスインナムーン,ラブカンプーなどが残っている。逆に緩んだ14,15年は差し決着。
スプリンターズSに限って言えば、中盤を締めることによって後ろの馬に脚を溜めさせず、逆に逃げは残りやすくなる。その中でも差して来れるのはロードカナロアやファインニードルなど真のチャンピオンのみである。
ラピスラズリSのモズスーパーフレアの適性を考える上で、この2F理論が綺麗にハマって説明できそうだなと思ったので前置きとして。